「…………」



(まただ)



篠原くんと話した事はないが、近頃の彼は妙に苛立っている様子が目に入る事がある。



どういう訳で怒っているのか分からないが。



葉月くんはどこかうんざりした様子でいる。




その日、篠原くんは大きく声を荒げた。



「もう! 今日こそちゃんとしろよなっ」と教室を出て行こうとする。



「!」



その時、たまたま私は扉の近くにいた。



篠原くんは怒りをあらわにしながら、私の横を通っていた。



(!?)



《優弥は何を考えてんだよ!》



とその瞬間、彼の心の声と同時に激しい頭痛が走った。



「…っ」



私は思わず片手で頭を抑えた。



それぐらい激しい痛みだった。