願う先にある想い

「ねえ、そろそろ聞いてもいい?」



「………」



葉月くんは静かな声で私に問うと、私は戸惑いながらも頭を頷かせた。



「えっと、嫌なら明日にする?」



「えっ」



「その、今日…俺」



葉月くんはバツが悪そうな顔で呟いた。



「あっ…」



葉月くんの言葉にまた体が反応し、体が赤くなるのが分かる。



「ごめんね…傷付ける真似しちゃって。俺の事 嫌になったよね?」



葉月くんは不安そうな様子で私を見る。



「そんな事…」



「初めてだったよね?」



「それは…」



確かにその通りだけど。



葉月くんは私にした事に随分心を痛めるかのように様子を伺う。



「少し怖かったけど、でも、別に嫌いになってはない」



私は戸惑いを持ちながらも、彼の言葉をやんわりと否定した。



「そっか…よかった」



葉月くんはよほど不安そうだったけど、私の言葉に安心した溜息を吐いた。



「………」



あれは、やはり話させる為の脅しの為で、決して私にしたかったとかそういう類の理由ではないのだろう。



(なんだろう、このがっかりしたようなそんな感情は)



「本当にごめんね」



「ううん、大丈夫」



あまりにも申し訳なさそうに言う葉月くんに、嫌いとも怒る理由もなかった。