「君、大丈夫かい? すごい音が聴こえたけど」
すると、ビルの中の人が音にかぎつけて出てきて、事情を葉月くんが説明する。
「屋上から植木鉢が突然落ちてきたんです」
「植木鉢? 屋上に植木鉢など置いてないと思うんだけど、それに屋上は立ち入り禁止になっているんだけどな」
「えっ」
この人の言っている事が事実なら、やはり美実さんが白石さんに仕向け、わざと白石さんの存在を気付かせたのかもしれない。
「とりあえず、ここは俺がやっておくから君達はもう帰った方がいいよ」
「そうですね、すいません」
「いや、気にしないで」
「美沙樹、立てる?」
「…うん」
葉月くんは私の手と腰を掴み立たせてくれる。
「っ」
さすがに今回ばかりは少しだけ恥ずかしく感じてしまった。
あの場はビルの方に任せて、バス停へと向かった。
が、私は何もいう事はなく、モクモクとバス停へと向かっていた。
「なあ、本当に歌菜ちゃんがやったの?」
篠原くんは白石さんが私を傷付けるような目に合わせるとはどうしても思えないと言って信じていないようである。
だけど、葉月くんはそれを否定した。
「歌菜がやったんだよ。お前だって知ってるだろ、あいつが俺に近付いた女子全員に何したか知ってるでしょ」
「知ってるけど、人殺しみたいなマネする訳」
「……」
篠原くんは白石さん本人がやっていた光景を見ていないから言えるのだろう。
その瞬間、周りに注目されないように葉月くんは篠原くんは大きな声で言う事なく、いつものトーンで注意を促す。
「零詞はその場を見ていないからそう言えるんだよ。
歌菜は美沙樹を殺そうとしたんだよ。それでお母さんがケガを負って、結局は美実さんに殺されたんだよ。
今だって、歌菜は姿を現さないって事は、美沙樹のお母さんの事件に加担したって事だろ? つまりは架菜が美実さんに仕向けてこんな目になったんじゃないのか?
今だって、架菜が美沙樹を殺そうと事実なんじゃないのか?」
「……葉月くん」
葉月くんの必死の思いに、彼は小刻みに唇が震えていた。
「まあ、確かに歌菜ちゃんが行方不明なのはおかしいよな。けどさ、なんで歌菜ちゃんは君を傷付けようとしてるの?」
「それは、まだ恨んでるから?」
それも一理あると言えるけど、おそらく、美実さんに言われて行っているのだろう。
あの舌打ちしたように見えた顔から、白石さんは快く承諾したんだと思う。
「それもあると思うけど、根本的な理由は美実さんが私を狙ってるから」
「狙ってる?」
私の呟いた言葉に葉月くんは呆然とした表情で私を見る。
「美実さんが私を殺そうとしているから。
お母さんと同じ目に遭わそうとしてるの」
「えっ…はっ?」
私の思いもしない告げに2人は目を驚愕させる。
「なんで?」
「……っ」
篠原くんが白石さんの事を信じていないから、私の言っている事など理解する義理などできないんだろう。
それ以前に私の力の事を知らない篠原くんにおばあちゃんの事を言うのは、どうしても戸惑いを感じ言い悩む。
「……」
葉月くんは何かを思い出すかのように考え込む仕草をする。
「おばあちゃんが教えてくれたの」
「おばあちゃん?」
「お母さんの」
「は?」
ありえないと言っていると思われるのが普通の反応だろうけど、葉月くんは驚く事も何も言わなかった。
私の力を知っているからこそ、「おばあちゃんと話した」と告げても彼は驚きもしなかったのだろう。
という前に、葉月くんは最初に私の力を話した時も驚く事もしたけど、表情には表さなかった。
きっと、篠原くんの反応が普通の反応なのだろう。
すると、ビルの中の人が音にかぎつけて出てきて、事情を葉月くんが説明する。
「屋上から植木鉢が突然落ちてきたんです」
「植木鉢? 屋上に植木鉢など置いてないと思うんだけど、それに屋上は立ち入り禁止になっているんだけどな」
「えっ」
この人の言っている事が事実なら、やはり美実さんが白石さんに仕向け、わざと白石さんの存在を気付かせたのかもしれない。
「とりあえず、ここは俺がやっておくから君達はもう帰った方がいいよ」
「そうですね、すいません」
「いや、気にしないで」
「美沙樹、立てる?」
「…うん」
葉月くんは私の手と腰を掴み立たせてくれる。
「っ」
さすがに今回ばかりは少しだけ恥ずかしく感じてしまった。
あの場はビルの方に任せて、バス停へと向かった。
が、私は何もいう事はなく、モクモクとバス停へと向かっていた。
「なあ、本当に歌菜ちゃんがやったの?」
篠原くんは白石さんが私を傷付けるような目に合わせるとはどうしても思えないと言って信じていないようである。
だけど、葉月くんはそれを否定した。
「歌菜がやったんだよ。お前だって知ってるだろ、あいつが俺に近付いた女子全員に何したか知ってるでしょ」
「知ってるけど、人殺しみたいなマネする訳」
「……」
篠原くんは白石さん本人がやっていた光景を見ていないから言えるのだろう。
その瞬間、周りに注目されないように葉月くんは篠原くんは大きな声で言う事なく、いつものトーンで注意を促す。
「零詞はその場を見ていないからそう言えるんだよ。
歌菜は美沙樹を殺そうとしたんだよ。それでお母さんがケガを負って、結局は美実さんに殺されたんだよ。
今だって、歌菜は姿を現さないって事は、美沙樹のお母さんの事件に加担したって事だろ? つまりは架菜が美実さんに仕向けてこんな目になったんじゃないのか?
今だって、架菜が美沙樹を殺そうと事実なんじゃないのか?」
「……葉月くん」
葉月くんの必死の思いに、彼は小刻みに唇が震えていた。
「まあ、確かに歌菜ちゃんが行方不明なのはおかしいよな。けどさ、なんで歌菜ちゃんは君を傷付けようとしてるの?」
「それは、まだ恨んでるから?」
それも一理あると言えるけど、おそらく、美実さんに言われて行っているのだろう。
あの舌打ちしたように見えた顔から、白石さんは快く承諾したんだと思う。
「それもあると思うけど、根本的な理由は美実さんが私を狙ってるから」
「狙ってる?」
私の呟いた言葉に葉月くんは呆然とした表情で私を見る。
「美実さんが私を殺そうとしているから。
お母さんと同じ目に遭わそうとしてるの」
「えっ…はっ?」
私の思いもしない告げに2人は目を驚愕させる。
「なんで?」
「……っ」
篠原くんが白石さんの事を信じていないから、私の言っている事など理解する義理などできないんだろう。
それ以前に私の力の事を知らない篠原くんにおばあちゃんの事を言うのは、どうしても戸惑いを感じ言い悩む。
「……」
葉月くんは何かを思い出すかのように考え込む仕草をする。
「おばあちゃんが教えてくれたの」
「おばあちゃん?」
「お母さんの」
「は?」
ありえないと言っていると思われるのが普通の反応だろうけど、葉月くんは驚く事も何も言わなかった。
私の力を知っているからこそ、「おばあちゃんと話した」と告げても彼は驚きもしなかったのだろう。
という前に、葉月くんは最初に私の力を話した時も驚く事もしたけど、表情には表さなかった。
きっと、篠原くんの反応が普通の反応なのだろう。