そして、葉月くんから逃げまくって気が付けばお昼休みと差し掛かっていた。



「今日は別の意味で響ちゃん変だね」



「変じゃない」



「じゃあなんで、葉月くんの事を避けてんの?」



「違う、逃げてるの」



「それ一緒よ」



「うっ」



好きで逃げたくて逃げている訳ではないもの。



しょうがないじゃない、葉月くんが私に聞き出そうとしているから。



「ごちそうさま」



ここあさんが作ってくれた特性お弁当は今日も美味しかった。



「さてと、ちょっとジュース買ってくるよ」



「うん、いってらっしゃい」



「いってらー」



お財布から小銭を取り出しポケットに入れて教室を出ると、どういうタイミングか分からないが葉月くんと篠原くんに出くわす。



「ああ、美沙樹。良いところに、話が」



「〜っ」



私は反射的に思わず2人から逃げるように逃げた。



私は逃げて逃げて気が付くと屋上庭園へとやってきた。



普段、屋上庭園は開放されているがあまり生徒が来ないから使い勝手がないので、何が置いてあるか把握していない。



「はあはあ」



反射的に思わず走ってしまったので少し息が乱れている。



そのまま、扉近くの壁へと座り込む。



「はあ」



葉月くんってあんなにもしつこく尋ねて来る人だったろうか?



もっと聞き分けの良い人だった気がするのだけど、私の記憶が正しければしつこい人ではないのは確かなのだけどおかしい。



でも、このまま逃げ続ける訳にも行かなだろう。



(どうしよう…)