だけど、様子を見る感じではそんな感じでもなかったようだ。



単なるたまたまで偶然同じ学校というだけだったらしい。



おそらく、葉月くんと同じようにお父さんのお仕事の都合と同じ状況だったのだろう。




実はこの前の文化祭の時におそらく偶然一緒の班になっただけなのだが、葉月くんからある事を聞いたのだった。



どういう訳か葉月くんは他の男の子とは仲良くなるけど、女の子とは言う程距離を近づこうとはしない。



確かに葉月くんはモテるけど、唯一私だけはほんの少しだけ話し掛けてくれている。



と言っても極たまにだけど。



その文化祭の準備中に葉月くんの家族の事を話してくれた。



なぜ私に話してくれたのかは少し分からないが。



私も葉月くんは近付いても何も聞こえないし見えないので、初めて男の子でちゃんと話せて少しだけ気楽だった。



普段はいつも聞こえないように位置を考えなきゃいけないので本当につらくて、できるだけ近づかないようにしていたから。



その点、女の子の心はふわふわしていて優しいものだから、聞こえてもストレスの害にもならないから安心だ。



たまに性格の悪い人の心はストレスに害するけど。



葉月くんは、複雑な事情や理由で、ここに引っ越してきたらしく、葉月くんにはお母さんがいなくて、お母さんは葉月くんが幼い頃に亡くなったらしい。



中学の時に再婚した女性が、とてつもなくひどい人だったみたい。



性格の問題で、今回葉月くんのお父さん仕事の都合でその人とは離婚したらしい。



でも、ここに来る時は、その人には一切知らせず来たと。



という理由があったらしい。