願う先にある想い

「お疲れ様ー」



「またね、響ちゃん♪」



「はい」



放課後、今日は所属している図書委員の活動があるので図書館がある建物へと向い、今さっき終わった所である。



終わると同時に時計を見ると、ちょうど下校時間の30分前だった。



帰り支度やもう既に帰っている生徒がまばらにちらほらと目に付く。



委員会で仲の良い先輩と別れて、1人校門へと向かった。



図書館からそのまま校門へと向かっていると、後ろから葉月くんに呼び掛けられた。



「葉月くん」



「遅いね、帰るの。何か用事でもあったの?」



「うん、委員会の活動」



「へー何の委員会?」



「篠原くん」



葉月くんの後ろからひょっこっと顔を出した篠原くんが私の言った言葉を聞いてくる。



「図書委員だよ」



「そうなんだ。ていうか、この学校の図書館でかいよな、変わった本も多いし。そもそも校舎内じゃなくて別建物だもんな」



「?」



篠原くんの言った事が最初は疑問に感じたけど、篠原くんは今まで普通の公立の学校で校舎も設備も広さも違うから驚きが多いのだった事に気付く。



「あ、そうなんだ。
校舎内にある図書室とか知らないから」



「ああ、そう」



すると葉月くんがクスクスと笑い始める。



「本当、美沙樹って箱庭に育ったお嬢さんって感じだよね」



「あ、うん、そうだね」



「否定しないのかよ」



葉月くんの言った「箱庭」という言葉に、私は否定する事なく肯定したので、驚いた篠原くんが私に突っ込んできた。



「うん、だって本当の事だし。
杏ちゃん達にもよく言われるんだよね」



「まあ、お母さんがああだもんね。しょうがないよ」



「まあ、そうだね」



葉月くんは驚く事もなく、むしろ肯定した言い方で納得してくれる。



「美沙樹のお母さんってそんなに厳しい人だったの?」



「うーん、うん。基本的にお母さんは私を守ってくれていた人で、男の子に近付くのはダメで危ない事は全て禁止で危ない場所に行く事もダメだったかな」



「よくそんなんでグレなかったな」



篠原くんは私の話に呆然となった様子で言ってきた。



「グレる?お母さんはすごく優しい人だったよ。
お母さんの言っている事は正しいからグレる必要ないと思うけど」



私は篠原くんの言った言葉にキョトンとしながら言い返した。



「素直で良い子過ぎるだろ。優弥もそうだけど…。
…いや、優弥は違うか…こいつは色々やばいし」



(葉月くんも?)



葉月くんもそういう傾向があるという事だろうか?



やばいって何?



白石さんの事はともかく、なんとなくそんな気はしなくもない。



(似てる、のかな?)