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昔、小さい頃にまだ母さんが生きていた時に俺が母さんにある質問をした事があったと父さんが言っていた。



『ねえ、お母さん。どうして、僕にはおじいちゃんとおばあちゃんがいないの?友達はみんないるのにどうしていないの?どうしてお母さんお父さんだけなの?』



最初から俺の家族は父さんと母さんの両親の2人だけだった。



その頃の俺はまだおじいちゃんとおばあちゃんいない理由を正確には把握していなかった。



そして、母さんが事故で亡くなった時でさえも把握出来ていなかった。



お葬式の時は正直母さんがどうなったのか理解がよく分からずにいたけど、家に母さんが居ないという状況で初めて理解した。



その時に同時におじいちゃんとおばあちゃんが居ない理由をようやく把握したのだった。



『おそらく、おじいちゃんとおばあちゃんはお母さんと同じように、亡くなっているんだ』と。



そのせいなのか、歌菜や美実さんに対して同情するものがあった。



歌菜は家族関係悪く、父親によく虐待のような態度を取られていて、美実さんは味方と言える家族がいない。



だからかもしれない、あの2人に対してどうしても恨むという感情が表れなかったんだ。



似ているものがあったから、嫌になっても嫌うことは出来ずにいるんだ。



同情を2人にもたらしているから。



歌菜の事情やあの束縛する性格を知ってからは、歌菜に対する恋愛感情というものはなくなっていた。



今はもう歌菜に『好き』という感情さえもないぐらいだ。



『ねえ、優弥くん。あの子を守ってあげてくれないかな?』



美沙樹のお母さんが亡くなる前、まるで遺言のように俺に言ってきた。



『あの子はずっと私が守ってきたの。私はあの子をお人形のように育ててきてしまったから世間知らずの子になってしまったの。でも、とても良い子で優しくて私がだめだと言ったら絶対に言う事を聞くようなそんな子で、私がいないと全然ダメな子なの。だから、お願いあなたが響を守って欲しいの。それにあなたはきっと』



どうして、俺にお願いをするのか少し理解出来ずにいた。



でも、すぐに理解をしてしまった。



なぜなら、とても簡単な事だから。



『でも、俺…』



『あなたは不思議な子ね』



『えっ』



『大きな不安や問題を抱えているのに、響の事ははっきりと視える。それは欲のある感情ではなく、優しくて純粋で綺麗な感情ね。あなたの心はとても綺麗ね。男子って女の子に対して欲を持っちゃう男子が多いから、響の事が心配でだから近付かないように言いつけていたのよ。でも、あなたは普通の男の子とは違うのね。それにうちと関わりがあるけど、あなたは違う…』



『純粋…』



『響は純粋で素直過ぎる所がたまにキズなんだけどね』



その瞬間、俺は思ったんだ。



いや、本当はずっと前から気付いていたんだと思う。



だけど、その感情はどこか不明等で曖昧である。



最後に言っていた言葉はよく分からなかったが。