「……」



結局、ここあさんにもお父さんにも言えなかった。



何度も言おうと試みたけど、勇気が出なく怖じ気付いて言葉に出す事が出来なかった。



このままだと本当に大変な事になって危険な目に遭うのは自分なのに、情けない自分が腹立たしく感じる。



おばあちゃんは危険な目にはなるかもしれないけど、死ぬ事はないって言っていたけど。



「私の意気地なし…」



(ねえ、お母さん。私、どうしたらいいかな?
どうしたら強くなれるのかな?)



ベッドにうつ伏せになり、泣きそうになる。



「…っ…」



ふと顔をあげてテーブルに置いてある雑誌に目が向く。



「……」



ベットから起き上がり、テーブルに近付き置いてある雑誌に手を伸ばした。



それは、元気のない私に葉月くんがくれた雑誌だった。



その雑誌を手に持ったままベットに座りながらパラパラと捲る。



雑誌に出てくるレースやフリルのデザインの多い甘めのシフォンでナチュラルなファッションにどことなくほろ媚が生まれる。



「かわいい…こいうの着てみたいな」



きっと葉月くんは私が似合いそうなファッション雑誌を選んでくれたのかもしれない。



「はあ…」



電気を消して横になる。



「………」



次第に今日の疲れが出たのかウトウトとなり、いつの間にか眠りに陥っていた。