「気付いていたんですか?」



正直、こんな事を言われたのは初めてでどう反応したらいいのか分からない。



お母さんだって一度も…。



(一度も?)



その時、この力についてお母さんのある言動があった事が頭によぎった。



(いや、違う)



「気付いてたも何も、なんとなく分かるよ」



ここあさんはくすっと笑いながら答えた。



お母さんはおそらく気付いていたけど、わざと聞かなかったんだ、一度も。



いつもストレスで寝込んだ時や熱を出した時は、体に良いという食べ物や飲み物を出してくれていた。



今思えば、あれらは全部ストレスに良い食べ物だったんだ。



お母さんはずっと気付いていた。



何の力なのかは分からなくても、私の感じているストレスは普通から来るストレスではない事ぐらい。



だから、あえてストレスに良い食べ物や飲み物を出してくれていたんだ。



「お母さんは何の力があったんですか?」



私はお母さんに何の力があったのかすごく気になった。



「えっとなんだったかしら?あーそうそう。見えるんだって」



「見える?」



霊感とかだろうか?



でも、お母さんはそんな様子一度も感じた事はなかった。



霊感のある人のオーラはどちらかというと、神秘なそんな不思議なオーラを感じていた。



でも、お母さんのオーラはそれとも違う気がする。



確かに普通の人のオーラではないのは確かだったけど。



「人の想いがね」



「想い?」



「視えるんだって、人間の奥底の想っている感情がね」



人の想い…?