願う先にある想い

そういえば、お母さんも私と同じように不思議な力が備わっているっておばあちゃんが言っていたけど、どんな力なんだろう?



私と似ているようなものだろうか。



「………」



車の窓側に頭をくっつけてぼーっと外を見つけていると、運転しているここあさんが私に声を掛けてくる。



「ねえ、響ちゃん」



「! …は、はいっ」



ここあさんの声にピクッとなり窓にくっつけていた頭を起こしここあさんを見る。



「どうかした? 少し元気なさそうだけど、疲れてるなら横になってもいいよ。着いたら起こしてあげるけど」



「あ、いや。大丈夫です」



別に疲れて眠たいからぼーっとしていた訳じゃなくて、おばあちゃんの言葉に考えていただけなんだけど。



そういえばおばあちゃん、いわゆるおばあちゃんの幽霊とお話ししたけど、全くと言って疲れたり眠くなったりしなかった。



おばあちゃんだったからかもしれない。



おばあちゃんは私にお話しする為に現れてくれたから、まれに起こる恐怖体験で感じる怖い幽霊さんとは違う、おばあちゃんはちゃんと意思と思いのある幽霊さんだから何もないんだ。



(まあ、私は幽霊さんによる恐怖体験はした事はないんだけど)



それ以前に、私は霊感とかもないから幽霊さんも見た事もないから、幽霊さんと接触したのは先程のおばあちゃんが初めてだから。



「あの、ここあさん」



「ん?」



「その…」



おばあちゃんに言われた事をここあさんに言うべきだとなんとなく名前を呼ぶが、すぐに何も言えなくなって口つぐみ、肝心な事よりも別の方向に話しを向ける。



「何も聞かないんですか?」



「えっ何が?」



「さっき、随分待たせていた間の事」



「ああ!」



ここあさんは先程私を待っていた事に対して、軽く頷くする程度で特に興味のない反応を示した。



私自身がすごく気になっていて、どうして何も言って来ないんだろう。



それとも、わざと言って来ないのだろうか。



だけど、ここあさんは私が予想していた言葉とは、反対の言葉を発した。



「別に気にしてないから聞かなかったんだよ。どうしても必要なことなんでしょ?」



「どうして…?」



普通なら何があったか根掘り葉掘り聞くものなのに、ここあさんはどうして何も言わないのだろう。



「だって、由理ちゃんで慣れてるから、私。由理ちゃんも不思議な事がよくあったから、だから響ちゃんも同じようにそういうのがあるんでしょ?」



「………」



その時、ようやくしてここあさんが私に聞いてこなかった理由を理解したのだった。



(そっか、そういう事だったんだ)