願う先にある想い

「………」



私は部屋から出てゆっくりと玄関へと向かっていると、玄関の方から「終わった?」とここあさんの声が聞こえてきた。



「ここあさん…あ!すいません、お待たせして」



ここあさんの存在に私はここあさんに軽い嘘を付き待たせていた事を思い出す。



「もう大丈夫?」



「はい」



(あれ?)



おばあちゃんと結構話していたはずだと思うんだけど、遅くなった事を聞いてこないのだろう?



それ以前に、ここあさんは私の様子を見にくる事もなく、ただ玄関で待っているだけだった。



「さあ、帰ろっか」



「うん」



もしかして、気にしてないのだろうか?



でも、1時間も待たせていた訳じゃないけど、30分程度でも結構な時間だと思う。



なのに、なんで何も聞いてこないんだろう。



疑問を持ったまま私は、そのままここあさんの車に乗り込んだのだった。



車に乗り込み走り始めて、私はしばらくぼーっと外の風景を見つめていた。



その間に私は先程のおばあちゃんの会話の事を考えていた。



【次に狙われるのは私】



《ここあちゃん達やあなたが話すべき人に話して。
そうすれば、きっと響ちゃんは助かるわ》



おばあちゃんの言い方はまるで私の秘密をここあさんやお父さんに話すべきと言っているようだった。



でも、言わなければ私はお母さんと同じ目に遭ってしまうという事なんだろうか。



確かにいつかは話すべきだとは考えている。



でも、ずっと今ではないと考えていたからお母さんにも誰もにも言わず、唯一教える事ができたのが葉月くんだけだった。



けど、今はそんな悠長な事を言っている場合ではないのだろうけど、私の秘密を教えてお母さんの事で問い詰められたりしないだろうか?



もちろんここあさんやお父さんは酷い事を言ったりしないことは分かってるけど、でもやはり怖いんだ。



自分の長年の秘密がバレる事が。



「………」