願う先にある想い

「でも、どうやって説得したら?」



説得しなければいけないのは理解したけど、根本的な内容はどうしたらいいのかが分からない。



《大丈夫よ。響ちゃんは私や由理華やここあちゃん達から聞いて読んで知ったんでしょ?だったらきっと大丈夫》



「大丈夫」



おばあちゃんは不安がる私に勇気をもたらすように、はっきりと強い意思をぶつけてくれた。



「………」



《大丈夫。もし、響ちゃんが危険な目に遭いそうになったら、由理華が助けてくれるから自分を信じて。
それに、あなたが殺される事はないから》



(…え)



「おばあちゃん…」



おそらくおばあちゃんも私がすごく心配だと思っているのだろう。



でも、美実さんを止める事が出来るのは私しかいないから仕方ない事ないのだろう。



ここあさんでもお父さんでも頼めなくて、お母さんの娘の私だからおばあちゃんの孫の私だからやらなければいけない事なんだ。



従姉妹姪のここあさんでもお父さんでも、私が終わらすべき事だとおばあちゃんは思っているのだろう。



それでもやはり不安がのしかかる。



やらないといけないのは理解している。



理解しているけど、私に出来る事なのだろうかと。



私は昔からそうで、不安がる事があればすぐにお母さんに相談してはいつもお母さんがアドバイスして解決してくれていた。



自分でなんとか解決しようとか、自分の頭で何かを考えようという、自分の意思というものを持ったことがあまりなかった。



いつもお母さんに任せっきりで、お母さんに相談すればきっと解決してくれると、そんな甘い考えばかりだった。



唯一自分で解決するように言われたのが勉強だけで、それ以外は本当に任せっきりだった。



でも、現在直面している事を考えれば、もう少し自分で考える努力もするべきだったと思う。



《大丈夫よ。本当に大丈夫だから、自分を信じて》



おばあちゃんの声がだんだんと薄く聴こえてきた。



おそらく、そろそろ時間切れの合図なのかもしれない。



「おばあちゃん」



その瞬間、おばあちゃんのオーラが感じ一瞬だけ、姿が現れる事のなかった顔が薄く現れたのだった。



「!?あ」



その顔はどことなくお母さんに似ている柔らかく優しいお顔だった。



そして、おばあちゃんは消えていった。



正確に言えば消えたのではなく、おばあちゃんの声が消えていったのである。