「どうして…聞こえるの?」
《それは、あなたが不思議な力を持っているからよ》
「えっ」
(今、なんて?)
もしかして、おばあちゃんは私の力に気付いている?
でも、なぜ…?
身体がなく魂しかないからなの?
《あなたがこの家に入った時から力を感じたわ》
「だから、聞こえたの?」
《そういう事になるわね》
それなら、この不思議な力の理由をおばあちゃんは知っているのだろうか。
もし、知っているのなら知りたい。
「じゃあ、この不思議な力がある理由も知っているの?」
私は少し希望を持っていた。
おばあちゃんなら私の力を知っているんじゃないかと、だから聴こえたんじゃないかって。
《…それは、ごめんね。私からは言えないの》
おばあちゃんは少し悲しげな声で私に伝えた。
「……?」
今のはどういう風に捉えたらいいのだろうか。
もしかしたら、教えられる事ではないのだろうか。
ずっとこの力でいつも何かに悩み続けていたから、だから理由を知ったら少しは楽になるんじゃないかって思ってたんだけど。
「ただ、あなたの力は心原の中では少し特別なのよ」
「えっどういう事?」
「ごめんね…これ以上は」
おばあちゃん自身まだ言える事ではないのだろう。
じゃあどうして私の力の事を分かったのだろうか?
「どうして分かったの?中身がないから?」
《そうね、その通りかもしれないわね。私は自分の意志で霊としての魂だけでここに残ったのよ。おそらく、魂だけだから敏感に感じるものがあるのかもしれないわね》
「えっそれって」
やはり、そういうものなんだ。
中身がない分魂から色々なものが感じるのだろうか。
死んでしまったこそ理解できる事で、生きている私には理解できにくいのだろう。
きっと、私の力と同じ感覚で、持っている人は理解出来てても、持たない人には理解できないんだろう。
それは、どんな状況でも同じものだと言えるものだろう。
そういう事なんだろう。
「おばあちゃんは私に何か伝えたいことがあるから呼び止めたんだよね。それは美実さん?」
《…そうね》
私の問いにおばあちゃんは、少し沈黙を置いて声を出した。
「でも、もうお母さんは⋯」
この世のどこに居ないという事を知っているのだろうか。
《知っているわ、美実が殺したのでしょう?》
「う、うん。でもなんで?」
魂だけだから分かったの?
それとも家族だから?
《心に不吉な感情が過ぎったのよ。それに、あの子がここに来たからよ。1番の理由は別にあるけど…。
それにあなたも知っていたはずでしょ、こうなる事を》
(えっ…なんで)
それよりも…。
「ここに?おばあちゃんに会いに来たの!?」
お母さんがここに来た?
ここあさんの話ではこの家に来るのずっと嫌で嫌で避けて一度も帰ってくる事はなかったというのに。
美実さんが私を攫った際に、助けに来た時のあの一度だけで。
美実さんがおばあちゃんとおばあちゃんを殺してしまったあの日から。
《由理華はここに来るのをずっと悩んでいたの。
でも、あの子は来てくれた》
「お母さんはまだ成仏できてないんだね」
《それは、私も同じよ。私はもう何年もここにいる。
私はあの子を見届けないと死にきれない。けど、美実は変わらないのよ、何も》
「おばあちゃん⋯」
おばあちゃんは静かな声でお母さんについて話す。
《未来は分かっていたわ、こうなるって。
由理華にとってここは嫌な思いもたくさんあったから、本当はここに来たくなかったのかもしれない。
それでもあの子はここに訪れた。そしてあの子は言っていたわ、『私は何より響が大事で守りたかっただけなの。でも、死んで初めて気付くなんて母親失格』だと》
それはもしかして、私の力の事だろうか?
おばあちゃんでさえも気付いたのなら、今の魂だけのお母さんなら気付いているだろう。
「それって、私の力なの?」
《そうね》
(やっぱり)
でも、この力がお母さんのせいで招き込まれた訳じゃないのに、そんなに自分を責める必要なんてないのに。
《でも、原因があるとしたら由理華なのかもしれないわね》
「お母さんが?」
《あの子は昔から不思議な何かを見えるそんな子だったのよ》
「そう、なんだ⋯」
そういえば、昔からお母さんは不思議なオーラが見えていて、そのオーラは柔らかくて不思議なものだった。
もし、この力に答えがあるとしたら、お母さんからの遺伝かもしれない。
お母さんは今どこにいるのだろうか?
もし、お母さんが近くにいるのなら会いたい。
「お母さんは、今どこにいるの?」
姿は見えないけど、声が聞こえるのならおばあちゃんと同じようにお話が出来るかもしれない。
《………》
おばあちゃんはすぐに答えることはしてくれなかった
「おばあちゃん?」
ごめんね、おそらく今のままではあの子は響ちゃんの前に現れることはしないわ』
「えっどういう事?」
(現れないって)
でも、おばあちゃんは私の前に現れてくれた。
姿は見えないけど声だけど目の前に現れてくれたのは事実だから、お母さんも同じように現れてくれるのでは。
《ううん、現れないの、今のままでは。あの子は怖がっているのよ。あんなにも響ちゃんのをずっと守り続けるって心に決めていたのに、結局、美実によって殺されてしまうなんて、そのせいで響ちゃんを悲しませてしまった事を酷く悲しんで合わせる顔がないのよ》
(そんな……)
「お母さんのせいなんかじゃないのに…」
《あの子は本当に良い子なのよ。私はずっと見てたから分かるわ。そして響ちゃんのことをどれだけ大事にしていたか。ううん、今でも傍から見守って大事にしているのよ》
「…っ」
そんなのずっと知っていた。
お母さんがどれ程私の事を大事に守ろうとしてきたか。
他人からすれば、異常な愛情かもしれないけどそれでも私はお母さんから向ける愛情が大好きだったんだ。
そして、亡くなったからこそ分かる。
お母さんのいない日常は辛くて悲しくて、私は何も知らなくて何もできない惨めな存在だってことに。
《それは、あなたが不思議な力を持っているからよ》
「えっ」
(今、なんて?)
もしかして、おばあちゃんは私の力に気付いている?
でも、なぜ…?
身体がなく魂しかないからなの?
《あなたがこの家に入った時から力を感じたわ》
「だから、聞こえたの?」
《そういう事になるわね》
それなら、この不思議な力の理由をおばあちゃんは知っているのだろうか。
もし、知っているのなら知りたい。
「じゃあ、この不思議な力がある理由も知っているの?」
私は少し希望を持っていた。
おばあちゃんなら私の力を知っているんじゃないかと、だから聴こえたんじゃないかって。
《…それは、ごめんね。私からは言えないの》
おばあちゃんは少し悲しげな声で私に伝えた。
「……?」
今のはどういう風に捉えたらいいのだろうか。
もしかしたら、教えられる事ではないのだろうか。
ずっとこの力でいつも何かに悩み続けていたから、だから理由を知ったら少しは楽になるんじゃないかって思ってたんだけど。
「ただ、あなたの力は心原の中では少し特別なのよ」
「えっどういう事?」
「ごめんね…これ以上は」
おばあちゃん自身まだ言える事ではないのだろう。
じゃあどうして私の力の事を分かったのだろうか?
「どうして分かったの?中身がないから?」
《そうね、その通りかもしれないわね。私は自分の意志で霊としての魂だけでここに残ったのよ。おそらく、魂だけだから敏感に感じるものがあるのかもしれないわね》
「えっそれって」
やはり、そういうものなんだ。
中身がない分魂から色々なものが感じるのだろうか。
死んでしまったこそ理解できる事で、生きている私には理解できにくいのだろう。
きっと、私の力と同じ感覚で、持っている人は理解出来てても、持たない人には理解できないんだろう。
それは、どんな状況でも同じものだと言えるものだろう。
そういう事なんだろう。
「おばあちゃんは私に何か伝えたいことがあるから呼び止めたんだよね。それは美実さん?」
《…そうね》
私の問いにおばあちゃんは、少し沈黙を置いて声を出した。
「でも、もうお母さんは⋯」
この世のどこに居ないという事を知っているのだろうか。
《知っているわ、美実が殺したのでしょう?》
「う、うん。でもなんで?」
魂だけだから分かったの?
それとも家族だから?
《心に不吉な感情が過ぎったのよ。それに、あの子がここに来たからよ。1番の理由は別にあるけど…。
それにあなたも知っていたはずでしょ、こうなる事を》
(えっ…なんで)
それよりも…。
「ここに?おばあちゃんに会いに来たの!?」
お母さんがここに来た?
ここあさんの話ではこの家に来るのずっと嫌で嫌で避けて一度も帰ってくる事はなかったというのに。
美実さんが私を攫った際に、助けに来た時のあの一度だけで。
美実さんがおばあちゃんとおばあちゃんを殺してしまったあの日から。
《由理華はここに来るのをずっと悩んでいたの。
でも、あの子は来てくれた》
「お母さんはまだ成仏できてないんだね」
《それは、私も同じよ。私はもう何年もここにいる。
私はあの子を見届けないと死にきれない。けど、美実は変わらないのよ、何も》
「おばあちゃん⋯」
おばあちゃんは静かな声でお母さんについて話す。
《未来は分かっていたわ、こうなるって。
由理華にとってここは嫌な思いもたくさんあったから、本当はここに来たくなかったのかもしれない。
それでもあの子はここに訪れた。そしてあの子は言っていたわ、『私は何より響が大事で守りたかっただけなの。でも、死んで初めて気付くなんて母親失格』だと》
それはもしかして、私の力の事だろうか?
おばあちゃんでさえも気付いたのなら、今の魂だけのお母さんなら気付いているだろう。
「それって、私の力なの?」
《そうね》
(やっぱり)
でも、この力がお母さんのせいで招き込まれた訳じゃないのに、そんなに自分を責める必要なんてないのに。
《でも、原因があるとしたら由理華なのかもしれないわね》
「お母さんが?」
《あの子は昔から不思議な何かを見えるそんな子だったのよ》
「そう、なんだ⋯」
そういえば、昔からお母さんは不思議なオーラが見えていて、そのオーラは柔らかくて不思議なものだった。
もし、この力に答えがあるとしたら、お母さんからの遺伝かもしれない。
お母さんは今どこにいるのだろうか?
もし、お母さんが近くにいるのなら会いたい。
「お母さんは、今どこにいるの?」
姿は見えないけど、声が聞こえるのならおばあちゃんと同じようにお話が出来るかもしれない。
《………》
おばあちゃんはすぐに答えることはしてくれなかった
「おばあちゃん?」
ごめんね、おそらく今のままではあの子は響ちゃんの前に現れることはしないわ』
「えっどういう事?」
(現れないって)
でも、おばあちゃんは私の前に現れてくれた。
姿は見えないけど声だけど目の前に現れてくれたのは事実だから、お母さんも同じように現れてくれるのでは。
《ううん、現れないの、今のままでは。あの子は怖がっているのよ。あんなにも響ちゃんのをずっと守り続けるって心に決めていたのに、結局、美実によって殺されてしまうなんて、そのせいで響ちゃんを悲しませてしまった事を酷く悲しんで合わせる顔がないのよ》
(そんな……)
「お母さんのせいなんかじゃないのに…」
《あの子は本当に良い子なのよ。私はずっと見てたから分かるわ。そして響ちゃんのことをどれだけ大事にしていたか。ううん、今でも傍から見守って大事にしているのよ》
「…っ」
そんなのずっと知っていた。
お母さんがどれ程私の事を大事に守ろうとしてきたか。
他人からすれば、異常な愛情かもしれないけどそれでも私はお母さんから向ける愛情が大好きだったんだ。
そして、亡くなったからこそ分かる。
お母さんのいない日常は辛くて悲しくて、私は何も知らなくて何もできない惨めな存在だってことに。


