願う先にある想い

「ねえ、帰る前に紹介したい人達がいるんだけど、寄ってもいいかしら?」



朝食が終えた後に、ここあさんが私にそう言ってきた。



特に断る理由も急いで帰る理由もなかった私は軽く頷き承諾した。



ここあさんの車に乗り込み、少し車を走らしすぐに目的地に着いたようだ。



そこは普通の一軒家で、ここあさんの家よりは小さめの淡い色のした家だった。



ここあさんはインターンホーンを押すことなく、そのままロックを開け中へと入っていった。



(もしかして、ここって)



ここあさんの後に付いて家に入り、そのまま奥へと進み1つの扉が開けられる。



「ただいま、お母さんお父さん」



(やはり、ここはここあさんの実家なんだ)



「おかえり、待ってたわよ」



「ふふ」



ご両親と随分近場に住んでいるんだ。



(うちのおばあちゃんも近場だし)



「あら、あなたは」



ここあさんのご両親は私の存在に気付き私の方へと顔を向ける。



「もしかして、この子」



「ええ、由理ちゃんの娘よ」



「!」



「!?」



お母さんの子供だと聞いた瞬間、ここあさんのご両親は哀しそうな表情で私を見た。



どうしてそんな表情をするのか理由はなんとなく理解した。



きっと美実さんの事やご両親の事や今回のお母さんの事だと察した。



「あなたが響ちゃん?」



「あ、はい」



ここあさんのお母さんはか細い声で私に尋ねてきたので、軽く頷いた。



「そう」



「!」



すると、ここあさんのお母さんは私にゆっくりと近付きそっと抱きしめた。



「えっ…あ、あの」



「あ、ごめんね。えっと思わず、ね」



「…いえ」



きっと、ここあさんのご両親もここあさんと同じ気持ちでずっといたんだろう。



私の姿にどこか安心感を持たされていたのだろう。



私はこの人達に何を与えられるのだろうか。