『由理ちゃん!』



『ここあ?なんでっ来ちゃダメだって言ったのに』



『美実は?来てない?』



由理ちゃんの忠告より由理ちゃんの命が心配で、そんな事守っている余裕なんてなかった。



『来てないよ。全く心配しすぎよ』



『でも…』



ご両親を殺したあの子が次を狙う相手は由理ちゃんしかいないから。



『もし、もしご由理ちゃんまでもがご両親と同じ目に遭ったら、そう思うと私…私居ても立ってられなくてって』



由理ちゃんはしっかりしているけど、どこか弱い所があるから、だからいつも心配な部分があった。



『ここあ』



『…でも…夢…』



『大丈夫だから大丈夫だから。だからそんな心配そうな顔しないで。私は死んだりしないわよ、殺されてたまるもんですか』



『由理ちゃん…』



『私は死んだりしないわよ』そう言った由理ちゃん。



その時、その言葉に心配で仕方なかったから心が和らいだ感じがした。



由理ちゃんは死んだりも殺されたりもしないって。



そう、信じてたかった。



『うん、そうだよね』



『うん』



信じたかったんだ。



だけど、私の想いはいつも何かによって壊れていってしまうんだ。