私が結婚した1年後のふとしたある日、お母さんからある情報を耳にした。
『えっ美実が北海道に?』
『ええ。なんでも、私の友達がその子に似た人を見たって言うのよ。まあ、似たっていうから本当か分からないけど。ほら、あの子って顔知れてるでしょ』
『確かにそうね』
ご両親を殺害した事で大きく取り上げられていたから、数年も経ってるけど有名なのは有名だ。
でも、今は何も事件も起こしていないので、どこにいても関係はないと思う。
元気に暮らしているのならそれでいい。
そう思っているからこそ、特に気にもしなかった。
だけど、この時私は気にするべきだったのではないかと後悔した。
例え未来が決まっていたとしても。
それから4年程が経ったある日の事。
あれっきり、美実の情報も聞くこともなくいつものように穏やかな毎日を過ごしていた。
そんな穏やかな毎日の中、突然家に美実がやってきた。
『なんで?ここに…』
美実の登場に私は一瞬動揺した。
そもそもなぜこの家にいる事を知っているんだろう。
結婚した事も引っ越した事も知らないはずなのに、なぜ。
『あんた、結婚したのね』
『う、うん。ねえ、今までどこにー』
『あんたまで、勝手に幸せを掴んだんだ』
『………別にそういうじゃあ』
まるで、幸せになってはいけないような言い草だ。
でも、きっと美実だってもう……。
『ねえ、由理華…どこにいるの?』
『!』
その時見せた美実の瞳は、狂気を満ちたかのような、まるで響ちゃんを攫った時と同じ瞳をしていた。
その瞳に思わずドクンっと悪寒のような身震いを感じた。
『どこ?』
私も間違っていたのだろうか?
この子はきっと穏やかな生活を送っていたとそう信じていた。
信じていたんだ…。
でも、違っていたんだ、最初から…。
『えっ美実が北海道に?』
『ええ。なんでも、私の友達がその子に似た人を見たって言うのよ。まあ、似たっていうから本当か分からないけど。ほら、あの子って顔知れてるでしょ』
『確かにそうね』
ご両親を殺害した事で大きく取り上げられていたから、数年も経ってるけど有名なのは有名だ。
でも、今は何も事件も起こしていないので、どこにいても関係はないと思う。
元気に暮らしているのならそれでいい。
そう思っているからこそ、特に気にもしなかった。
だけど、この時私は気にするべきだったのではないかと後悔した。
例え未来が決まっていたとしても。
それから4年程が経ったある日の事。
あれっきり、美実の情報も聞くこともなくいつものように穏やかな毎日を過ごしていた。
そんな穏やかな毎日の中、突然家に美実がやってきた。
『なんで?ここに…』
美実の登場に私は一瞬動揺した。
そもそもなぜこの家にいる事を知っているんだろう。
結婚した事も引っ越した事も知らないはずなのに、なぜ。
『あんた、結婚したのね』
『う、うん。ねえ、今までどこにー』
『あんたまで、勝手に幸せを掴んだんだ』
『………別にそういうじゃあ』
まるで、幸せになってはいけないような言い草だ。
でも、きっと美実だってもう……。
『ねえ、由理華…どこにいるの?』
『!』
その時見せた美実の瞳は、狂気を満ちたかのような、まるで響ちゃんを攫った時と同じ瞳をしていた。
その瞳に思わずドクンっと悪寒のような身震いを感じた。
『どこ?』
私も間違っていたのだろうか?
この子はきっと穏やかな生活を送っていたとそう信じていた。
信じていたんだ…。
でも、違っていたんだ、最初から…。


