題名のない恋物語




思わず眼を見張る。涼は特に気にしたそぶりは見せずにストローを咥えてウーロン茶を飲んでいる。


正直信じられなかった。涼の彼女は知り合いではないのだけど、可愛いと有名なので一方的に知っていた。


彼女のインスタとかではよく仲よさそうにしている写真が載せられていたのに、いったいいつ別れたというのか。





「え、あの、いつ別れたの?」

「一昨日くらい」

「えっと、なぜ…?」

「うーん…なんか向こう的には俺が部活優先しすぎて全然構ってくれないみたいな」

「なるほど寂しかったのか」

「ぽい。で、それが不満だったみたいで別れて欲しいって言われた」

「そうかあ…あの、涼は大丈夫?なの?えっと、元気?無理してたりする?」




なんとなく小声になりつつ質問したが、涼は吹き出してから普通に答えてくれた。