題名のない恋物語




『え、マジ?ごめんすぐ行くから、もうちょっと待ってて』

「まだ時間じゃないし、ゆっくりでいいよ」

『うーん、じゃあ競歩で行くわ。あと2、3分で着くから』

「はーい」




そう言ったが、電話越しに涼の足音が聞こえた。絶対に走ってるな。ゆっくりでいいのに、気を遣わせちゃったなと申し訳ない気持ちになった。




『理紗』

「ん?」

『空見て』

「空?…あ、飛行機雲」



空を真っ二つに割るように、まるで飛行機が落ちて行くように、飛行機雲が長く伸びている。



『すごい長く残ってるし、明日は雨だな』

「雨やだなあ…あ、明日体育じゃん」

『あ、俺もだ。うわー最悪。サッカーの試合すんのに』

「部活でもサッカーしてるでしょ」

『部活と体育は違うからなー。クラスの奴らと同じスポーツすんのって、なんか楽しいじゃん。しかもサッカー』