作らなきゃいけないかもしれないという気持ちはあるが、どうしても欲しいとは正直思わない。
涼は呆れたように小さくため息を吐きながら
「理紗は長い間いないせいで彼氏に対する抵抗がでかいんだよ。一回作っちゃえばわりと抵抗なくなるんじゃね?」
と言った。
「そうなのかなあ…」
でも確かにそれはあるかもしれない。経験なんてまったくないのに、経験を耳にしているから知ってはいるのだ。それに友達が話すものなんて愚痴の方が圧倒的に多いから、めんどくさいと思う機会も多い。
だから自然と抵抗も大きくなる。食わず嫌いみたいなものだ。そうやって彼氏いない歴=年齢になってしまったから余計に悪いのかもしれない。
それなら一度、もし機会があれば逃げたりせずに受け止めて経験してみるのがいいかもしれない。ただ私としては、諸々が初めてになる為変な人を相手にしたくないという気持ちは大きい。
まず機会なんてそう恵まれるものだろうか。バイトは禁止だし、部活にだって所属していないのに。クラス以外の人と出会う機会がない。
それでも平凡が待っていても平凡のままであることはもうよく知っている。行動を起こさなければきっと今のままだ。
