「どーだったー、私死んだわ」

そう机に脱力する彼女のあだ名はササ。

多分、苗字に“笹”が付くからという理由で入学早々付けた気がする。

名前を覚えることが苦手な私は、必要最低限の人に簡単なあだ名を付けるようにしている。


「高一のテストなんてどうでもいいんじゃない。
そんなことよりさ、私…」

ササは今1番のトモダチだ。
あまり人と深い関係になれない私にしては、割とよく仲良くできてる方であると思う。

そんなササに、一目惚れのことを話そうと思ったのだ。

「なに、そんな改まって」

私から話題を振ることは滅多にないだけに、ササは目を細めた。


「はーいホームルーム始めるから席ついてー」


話し下手な私は、頭の中で整理しているうちに担任の言葉に遮られてしまった。


「ごめん、放課後」


こうして私たちは放課後、学校近くのカフェに行くことになった。