「俺に見惚れてる暇あったら、さっさと結

婚する事だな」

彼はそんな事を言い放ったのだ。

「なっ・・・!?」

何なの!?この男!!

「うるさい!余計なお世話よ!!」

「おーこわ。行き遅れても知らないぞー」

そのまま彼は悠々と立ち去っていく。残さ

れた私は地団駄を踏んだ。

「何があっても、あいつとだけは結婚しない

わ!」

彼の事を考えず、私は近くに咲いていた綺麗

な花を摘み始めた。花と向き合っている時

は、尖っていた気持ちとかが和らぐから。

この時間が一番の幸せだ。