~ヴィッツside~


「今、どういう気持ちだ?言ってみろ」


・・・俺はどうして、こんな所にいるん

だ?


俺が図書室で、あいつを元に戻す方法を見

つけた途端にあいつが入って来て、「逃げ

て」って、確かにそう言った。


・・・あれは、こういう事だったのか?


だとしたら、俺は最初からこうなる運命だ

ったのか?


側近が、嘲笑う様にして俺を見下ろしてい

る。その手には剣が握られていて、俺は逃げ

ようにもそれを突きつけられている為逃げ

られない。すぐ側には、彼女の部屋から運

び出されてきたベッドがある。相変わらず

彼女は目を閉じたままだ。

「お言葉ですが、彼女は生きています」

そんな俺の言葉に、玉座に座った王様は偉

そうに鼻を鳴らした。

「だったらこれを見てみろ。なぜ目を閉じ

たままなのだ」