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背は低いがとても広そうな建物が目の前に広がっていた。
「ここが、屯所。」
「へぇ...」
ただ純粋に異世界の建物に興味が湧いた。
(やはり、ここにも魔力は感じられない...
この世界に“魔法”という概念はないのかしら?魔法のない生活にも興味があるわ…)
意外と早くララは異世界に慣れたようで、“魔法”がない暮らしに興味津々だった。
「そう言えば、自己紹介していなかったね。
俺は沖田総司。総司でいいよ。」
「私はララ。よろしく。」
「よろしく。」
いい笑顔だ。その辺の女ならばすぐに惚れてしまうだろう。
(...裏ありそうだなぁ)
「さ、中に入ろう?」
「あ、うん」
門の所にも何か文字が書かれてあるが、やはり読めない。イースト地方の古代文字に似ている気も...
中はやはり“木”だった。レンガ造りの家に慣れたララにとっては木造がとても新鮮だった。