それにさっきから思っていた。
急に闘技場から景色が変わったあの瞬間。
転移のような魔方陣もなかったし、魔力も感じられなかった。まさに、周りが変わっただけ、という感じだ。
この摩訶不思議な現象について考えながら、ただ歩いていると、不意に声をかけられた。
「...ねぇ、君。そこの君!」
「...へ?」
急な事だったので変な声が出た。声が聞こえた方を向くと、変な髪型の変な服装、でもイケメンな青年が立っていた。今更気づいたことだが、周囲の男性もみな、彼のような髪型をしていた。
「...えと、何でしょう?」
