「な、何でそんなことー。
そもそも理央君は何でここにいるの?」
嬉しいけれど素直に喜んではいけない。
しかし動揺が隠せる理由がない。
夜に?学校で?私の推しの生徒と?
こんなシュチュエーション絶対ありえない。
とにかく、冷静にならないと…
天宮 理央の担任「桜坂 忍」は焦っていた。
「どうしてって?」
理央は一歩前に踏み出し、
忍の頬に手を掛けた。
「先生に会いたかったからに決まってるでしょ?
先生は、僕に会いたくなかったの?」
その瞳は全てを見透かし、忍を嘲笑っているようにもみえる。そう、少年は全てを理解している。忍が天宮 理央の担任教師であること。そして、忍が天宮 理央に人知れず恋心を抱いていたことー。
「先生のこと、食べちゃおーかな?」
吐息のかかる距離。
忍に触れながら理央は続ける。
「ごめん、もう我慢出来ない。」
