「・・・やっぱり私は応援することにした幸せになってもらいたい。だから応援する。だから、今だけ・・・今だけだから、泣くのは!」


私はその人の胸の中で泣き叫んだ。


その人は私のことをぎゅっと抱きしめてくれていた。


いつまで泣き叫んでいたんだろう。


夕方になっていたのがすでに真っ暗だ


「・・・ごめん、夜遅くなっちゃった・・・今何時だろ?」


スマホを見ると午後6時。


「もう暗いから送るよ」


「・・・ううん、いいよ。あの、さ・・・名前なに?」


「俺の名前は速水 直生(はやみ なお)お前は?」


「私は市川 美紅。いつもありがとう」


「いつもって、昨日からなんだけど」


「たしかに、そうだったね」


私たちは顔を見合わせて笑った