恋して想い、恋して涙





「なんか久しぶりだな」


最初に口を開いたのは直生だった。


私は直生の顔を見ることは出来ず、俯いたままうん。とだけ答えた。


また会話は続かずふたりして無言になる。


「美紅さ、前聞いてきたじゃん。俺に好きな人いるかって。」


やっぱり、その話。


私はその話はしたくなかった。


知ってるから直生の好きな人は。