「美紅!」


私を呼んだのは亜衣だった。


「おはよー。亜衣」


私の挨拶を無視して亜衣は私の腕を引っ張って人がいないところへ連れ込んだ。


「ちょっと、いきなりどうしたの?」


「速水くんのこと!諦めるってどういうこと!?どうして急に?頑張るって言ってたじゃん!」


「亜衣、落ち着いて。・・・直生は好きな人がいるんだって。その人と直生は夏休みのとき直生と抱き合ってた。あの2人はきっと両想いだよ。私が入る余地なんてない。」


「・・・美紅、ほんとにそれでいいの?諦めていいの?諦められるような恋だったの!?私、ほんとに嬉しかったのにまだ諦めなくても・・・」