「な、なんで、泣いてるの?」
「良かった・・・。美紅がまた恋することができて。ずっと不安だった。」
亜衣のずっと不安だったというのはきっと陸がいつか取られるかもしれないって思ってたのだろう。
「そう、だよね。取られるかもしれないって思ってんだよね・・・」
「違う!」
今までに聞いたことないくらい大きな声を上げた亜衣。
「違うの・・・。あの日保健室で美紅は私の背中を押してくれた。あの時の美紅の笑顔は本物だった。だから、美紅はあの時で気持ちの整理がついたと思った。でも、私のせいで美紅がまた恋することざできなかったらどうしようって思ってたの。だから、気になってどうしようもいられなくなって・・・美紅に聞いたでしょ?」
ああ、あの時聞いたのはそう思っていたのか・・・。
私は亜衣の優しさにまた涙が溢れる。
「良かった!美紅!私のせいでごめんね・・・美紅がまた恋できてよかった」
「亜衣、いいんだよ。亜衣のせいなんかじゃない。謝らなくていいから!」
私たちはあの日みたいに抱き合う。

