違う違う。そんなんじゃないはず!
私はそのことを必死で忘れようと焼きそばにかぶりつく。
「美紅、そんなに食らいつかなくても口にソースついてる」
「え?あ、どこ?」
私は口元に手を置いて取ろうとしたら
「違う、そっちじゃない。こっち」
直生が私の唇に触れた。
ドキン
直生も気づいたのか顔を真っ赤にして
「ごめん!わざとじゃなくて・・・」
「い、いや!だ、大丈夫・・・だよ?」
私たちのことは周りから見れば挙動不審。
「美紅、速水くん?なにしてるの?もうすぐ花火始まるよ?」
「う、うん」
「なんでもねーよ」
どどーん
大きな音を立てて上がる花火。
「わあ!綺麗!」