花火大会当日。


待ち合わせは神社の鳥居。


待ち合わせ時間まであと10分。


私は急いで向かう。


お母さんに着付けしてもらったけど散々聞かれた。


あれから考えてた。


とっさに出た言葉だった。


“まだそんなんじゃないから”


まだって使うなんてこれから付き合うみたいな表現。


別に私は直生のこと好きじゃないのに


好きだけど・・・恋愛じゃない。


「美紅ー!」


声をした方を見ると亜衣が手を振っていた。


近くには私服の男の子ふたり。


「ごめん、待った?」


「大丈夫!さーて、美紅もきたし屋台行こ!」


亜衣と陸は隣に並んで歩いている。


必然的に私と直生が隣になる。