私は名前も知らないこの人に救ってもらえた気がした。


心が軽くなる。


「あり、がとう・・・話聞いてくれて」


私は立ち上がる。


「もう行くね、これ美術室に返さないといけないから」


私はもう一回ありがとうと言ってからその場を後にした。


私はまたここに来ようと思った。


この人を描きたい。


強く思った。