恋して想い、恋して涙





購買に着いたものの相変わらずの人の多さに圧倒する。


この中を入って買いに行くのは困難に違いない。


私はどうしようか迷っていたら



「美紅、パン買いに来たの?」


声をかけて来たのは、直生だった。


「直生!そーなんだけど・・・人が多すぎて買いに行けないなーって思ってて」


「パンならなんでもいい?」


「え?あ、うん。大丈夫だけど・・・」


私はなんでいきなりそんなことを聞いて来たのか不思議に思っていると目の前にパンが突き出された。


「やるよ。パン2個でいい?」


「え!?そんな悪いって!」


「俺、パン買いすぎたからやるよ」


そこまで言われると何も言えなくなってしまった。



「わかった。ありがたく受け取りますあ、お金!!いくらだっけ?」


「いらない。そのかわり、絵頑張れ」


そう言って直生は教室に戻ってしまった。


「直生、ありがとう」


私は小さな声でつぶやき直生からもらった焼きそばパンとメロンパンを持って走った。