あの後、家に帰ってから亜衣から電話が来た。
陸と付き合うことになったと。
私はおめでとうって心から言えた気がする。
あれから数週間が経った。
私はいつものように美術室にいた。
もうすぐ県展の締め切りが近づいているからだ。
「美紅」
「直生!部活は?」
「今は休憩。何描いてんの?」
「だめ!まだ見たらだめだから!」
あれから私は速水くんを直生と呼び捨てに。
直生は私を美紅と呼び捨てに。
私たちの関係といえば友達以上恋人未満というところだろう。
部活が終わる時間が合えば一緒に帰る
直生が部活の休憩の時はこうして美術室にやってくる。
「はあ?なんで俺は見たらだめなんだよ」
私はくすっと笑う。
「楽しみにしてて。直生には県展で見てもらいたいの」
私が描いてる絵は・・・1番に君に見てほしい。
君に助けてもらってよかった。
少しでも感謝をしたい。
最高の絵を描くから。
まってて。

