いつまで泣いていたのかわからない。


もう日が暮れていた。


描いていた画用紙は涙でぐしゃぐしゃになっていた。


もう帰ろう


そう思ったときだった。


「ねぇ」


私は驚いて後ろを振り返る。


そこにいたのは私がさっきまで描いていた人だった。


「ここで何してたの?グラウンドから見えてたんだよね」


ここから見晴らしがいいように、グラウンドからも見晴らしがいい。


ここは立ち入り禁止だから先生とかに気づかれれば説教コースになる。


「・・・絵を描いていたの。あなたのこと描いていたの。あなたの走ってる姿がとても綺麗だった・・・」


私が泣きながらそう言うとその人は


「はじめて言われたよ。そんなこと。ありがとう。君はなんで泣いていたのか聞いてもいい?」


どうして、この人に話そうと思ったのかわからない。


わかることはきっと誰かに話したかったんだと思う。


親友にも話せない。


私の悲しみを。