ブーブー
スマホが鳴っている。
きっと電話だろう。
さっきから鳴りっぱなし。
私はスマホを取り出す。
電話の主は亜衣だった。
「・・・もしもし」
『あ!美紅!?やっと出た!どうしたの!?遅刻なんてしたことないじゃんもう2時間目始まるよ!萩原くんは後から来るって言ってたけど・・・何かあったの?』
何か・・・あったよ。
でもね、亜衣には言えない。
「ごめん。朝はお腹痛くなっちゃって陸に後から行くって話してたの。今から行くから」
『ほんとに?大丈夫なの?』
「平気だよ。心配しないで」
私は亜衣の電話をきった。
「ねーかいくーん」
私はその声の方を見る。
そこには小さな子どもふたりが砂場で遊んでいた。
「なーに?まおちゃん」
「おおきいおしろつくろうよ!」
「わかった!」
私も陸とは昔ああやって遊んでいた。
本当に楽しかった。
それももう過去。
「ねーかいくん」
「なーに?」
「まおねかいくんのことだーいすき」
「ぼくもまおちゃんのことだいすきだよ」
私も小さい時は陸に言ったことがある