カランカラン
私はカフェの扉を開け、中に入る。
周りを見渡すと、亜衣が奥の席に座っていた。
「ごめん、亜衣またせちゃって・・・」
「ううん、大丈夫!そんなに待ってないから」
私は亜衣と向かい合って座る。
定員さんにケーキセットを注文して、しばらくしてチョコレートケーキとオレンジジュースが届いた。
「それで?話ってどうしたの?」
私は何事もなかったかのように、落ち着いて亜衣に話す。
「・・・美紅はさ、萩原くんのことどう思ってる?」
私は食べよとしていたチョコレートケーキを落としそうになる。
亜衣はかなりの鈍感。
私が陸のこと好きなことにも気づかないことは無理もない。
「・・・びっくりした〜!急にどうしたのよ!」
胸がドキドキしている。
バレないよね・・・
「美紅は、萩原くんのこと好きじゃないの?」
きっと亜衣は確信が持てる答えを待っている。
私が好きだよといえば、陸の恋は叶わない。
私が好きじゃないといえば、私の恋は叶わない。

