「数学の教科書は?」
「忘れるわけないじゃん」
私は、速水くんには何も隠せないと思い話すことにした。
「・・・朝、学校来る時にね、陸に話したの。応援するからって、でもいきなりできるものじゃないってわかったよ。さっきお昼食べよって誘ったけど・・・後悔した。2人が仲良く話してるの、見てるの、辛い・・・」
私は泣きそうになるのを必死で堪える
声は震えてしまう。
「やっぱり・・・好きなんだよね・・・」
この想いは報われない。
私がただひたすらに話し続ける。
速水くんは何も言わずにただただ聞いていてくれる。
私の想いは届かない。

