「早瀬さんのお弁当美味しそうだね」
この気まづい中1番に話したのは陸だった。
きっと気まづいと思っているのは私だけだと思うけど。
「あ、ありがとう・・・」
「お母さんに作ってもらったの?」
「えっとじ、自分で作ったの・・・」
「え!すごいね!食べてみたい!」
「え!そんな適当に作ってるだけだから・・・美味しくないかもしれないし・・・」
「美紅なんて料理はできないやつだから」
2人が仲よさそうに話していたのに急に私の話になった。
「ちょっと!陸!そんなこと別に関係ないでしょ!」
「話してるところ悪いけどさ、市川さん、数学の教科書ある?」
と、急に話を変えて来たのは、速水くんだった。
「え?あー、教室にあるけどー・・・」
「貸してくれない?次使うんだよね」
「わかったー、私食べ終わったし亜衣先に教室行くね!」
亜衣に別れを告げて速水くんと教室へ向かった。

