「まあ、ご飯たーべよ!あ、そーだ!せっかくだからさー食堂に行って食べない?」


私がこの提案をしたのはもちろん


陸はいつも食堂でご飯を食べることを知っているからだ。


「珍しいね。まあいいけど・・・」


「おっけー!じゃあいこ!」


階段を降りて渡り廊下を歩く


その先に食堂がある。


「あ!陸じゃん!」


私はまるで陸はここには来てるのを知らないかのように話した。


「あ、美紅・・・と早瀬さん」


「あ、萩原くん・・・」


「ねぇー!陸もさ一緒にお昼食べない?他に誰と食べるの?」


「あー俺は・・・速水といつも食べてる」


ドキン


え?今、陸はなんて言った?


速水・・・くん・・・?


「あー、そーなんだ・・・じゃあ邪魔になる?よね!」


私は亜衣の腕を引っ張って逃げようとした。


逃げる意味なんてない。


むしろ、朝まで思ってたように


お礼を言いたいくらい。


なのに、どうして私は逃げようとするのだろう。


走ろうとしたところで私の片方の腕を掴まれた。


そこにいたのは、速水くんだ。