「美紅はほかに好きな人がいるんだと思ってた。」


直生は顔を手で隠しながら言った。


「私も直生にはほかに好きな人がいるんだと思ってた。」


「はあ?なんで!?」


直生は目を見開いて言った。


「私、見たんだ。夏休み公園で女の人と抱き合ってたところ。」


直生は少し考えるようにしてた思い出したというように手を叩いた。


「あれ、姉貴。あいつヒール履いてきてて靴が壊れたんだよ。それで転けそうになって支えた・・・。」


私たちは顔を見合わせた。


クスッと笑ってから大きな声で笑った


「私たちどんなすれ違いしてんの!」


私は笑い疲れてため息をついた。


直生はいつになく真剣な顔をしていた


「美紅、俺と付き合って」