「今、なん、て・・・」
「好きだ。」
私は目からポタポタと涙が流れるのを感じた。
「・・・そう、だよな。いや、だよな。」
そう直生が小さな声で言ったのを聞いて私は慌てて言った。
「違う!私は・・・私も直生が好きなの」
私は持ってきた絵を渡す。
「あの賞を取った絵はあれはまだ直生への気持ちを気づく前の私だった。
この絵は違う。私なりに直生への気持ちを込めて描いたの。」
直生はそれを受け取って涙を流した。
それは、私と君が出会ったあの丘の上
私と君が見つめ合っている絵。
「私はきっとあの時直生には必ず出会う運命だったと思う。必ず、直生のことを好きになる運命だったんだ。」