「速水くんとまわりなよ!」
亜衣は、私に聞こえるか聞こえないかの小さな声で言った。
「亜衣、直生は好きな人がいるんだよその人とまわりたいに決まってる。私が邪魔したらダメだよ。」
私は窓の外を見る。
君と出会ったあの瞬間。
君が走る姿。
君と雲ひとつない青空。
目を瞑れば今でも思い出せる。
「一緒になんかまわれないよ。私きっと伝えちゃうかもしれない。迷惑なことしちゃう。」
私がそう答えると亜衣は私の肩を掴んで目を潤ませて言った。
「美紅、伝えていいんだよ。私の時もそうだった。美紅は本当に優しい。私のことを考えてもくれてた。美紅だって陸くんのこと好きだったはずなのに私の背中を押してくれてすっごく嬉しかった。あの時心のどこかで思ってたの。美紅とはもう話せなくなるかもしれないって・・・」

