午前中の授業が終わってお昼になった。
「結菜、屋上行くぞ!」
「えぇ、ちょ、ちょっと待ってよ!」
私の手首を掴んで、屋上まで突っ走る。
真司くん、走るの早いから何度も転けそうになるし、息切れが半端じゃないよ。
「結菜が取られる前に行かねーとな」
「はぁ??意味わかんない!」
「いいよ、わかんなくて。こっちの話」
「ふ〜ん、へんなの」
私・・・取られる??
何を・・・??お金?とか鞄??とかの事なのかな??
考えれば考えるほど、よくわからないな。
「結菜がいつも自分で作ってんの?」
「・・・まぁね?」
「へぇ〜、すご!卵焼き1個もーらいっ!」
「へっ!!ちょ、ちょっと・・・」
私の大事な大事な卵焼きなのに・・・。
最低だなぁ、もう。



