「ちょっと来て?」
私の手を掴んで、全然違いところへ向かった。
どこ行くんだろ??
私が住んでる町なのに、全然知らない場所だった。
木が多い茂る道を抜け出すと、海が見えた。
すごく綺麗な景色・・・。
人気もなくて、すごく静かで水の音だけが聞こえてきて、心地いい。
「結菜、ギュッてして?」
「えっ??」
わ、私からってことだよね??
・・・何回かしたことあるか。
私は思い切り力を込めて、真司をぎゅっと抱きしめたんだけど・・・
「まだ。もっと・・・」
「えぇ、これ以上力入んない・・・」
「ダメ」
精一杯、今よりも力を入れる。
真司との隙間が1ミリも生まれないように・・・ぎゅっと強く・・・
「もう大丈夫?」
「うん、ありがとう」



