私が暴力をされて怪我をした次の日の朝、真司がいつも通り、家に来て待っていた。


「どうしたんだよ、怪我」



「あぁ・・・これね、転けちゃって。えへへ」


真司に迷惑も心配もかけたくなかったから、誤魔化した。


「学校行くか!」


怪しまれずに、いつも通りの真司だったから、ほっとした。


「うん」


「手、繋ぐ?」



昨日、言われたことを思い出した。



“ 手を繋いで ”

“ もう関わらないでよ ”



「どうした?」


「もう言わないで!私の気も知らないで!」


あ・・・。


いきなり怒ってしまって驚いた表情を見せる真司。


「・・・ご、ごめん。何でもないから」


慌てて謝った。


でも、1週間くらい全く喋らなかった。