チャイムが鳴って、今日1番初めの授業が始めた。
でも、全然集中出来なかった。
先生の話を聞くほどの余裕はなくて、全部脳内は結菜中心で・・・
何をしていても、結菜のことはどうしても忘れられない。
ずっとずっと叶わないけど想い続けてた人だから。
「・・・し、真司くん」
いきなり、俺の好きな人の声が聞こえてきて、ドキッとした。
なんで「くん」に戻ってんだよ。
そこに少しイライラを覚えた。
「なに?」
イライラを隠すように、結菜の声に優しく返す。
「ノート、貸して」
「・・・はい」
たったこれだけの会話。
それでも、久しぶりに味わったこの感覚は嬉しかった。



