「結菜、大丈夫?」
私の顔色を伺うように覗き込んできた。
・・・だめだ。
私は、隠し通すことが苦手で何かあったとしてもすぐ顔に出る。
「なんでもない」
・・・やっぱり言えない。
「変なのー」
何言われるのかわからないし、あの人たちのこと、
顔も名前も知らないから・・・
でも、私はなにかした覚えもない。
だからこそ怖いの、きっと・・・
午後の授業が始まるほんの少し前。
「真司、ごめん。私行かないと行けないところあるから、先帰ってて?」
「先生の呼び出し?」
「違うよ。また別の・・・」
「あぁ、わかった。」
真司にもいつもと違うって言われちゃったんだけど、「そんなことない」って言っておいた。



