そしてこのままでは大切な空想をバカにされたまま終わってしまうと感じたので、頑張ってウィルに説明しはじめた。

「イギリスには魔法使いとか妖精とかいるじゃない。日本にはそれと似たように、山の神様とか川の神様とか風の神様がいるのよ」

 ウィルは肩をすくめた。「ふーん、で?」

「でも日本の場合『神様』といってもキリスト教と違って、もっと気さくで親しみやすいの。イギリスでいうと『魔法使い』とか『妖精』とかになると思うんだけど……。その理屈に当てはめると、イギリスに『窓の魔法使い』がいてもちっともおかしくないでしょ」

 どの理屈に当てはめるとおかしくないのかウィルにはさっぱりわからず、呆れるのを通りこしてにやにや笑い出した。

「マナがそう言うんだったら、ま、日本の窓には『窓の魔法使い』とやらがいるんだろうさ、もちろん。でもイギリスの窓に関しちゃあ、ずいぶん独創的なアイデアだな」

 独創的なアイデア。

 眞奈はやっとウィルが窓の魔法使いを理解してくれたのだと思って、ちょっと得意な気持ちだった。

 でもよくよく考えてみると……。