「おはよう」

そう私は新聞を読んでいるレオンに声をかけた。

しかし彼は私の声が聞こえないのように新聞を読んでいる。

チッ

「おーはーよー!」

とレオンの耳元で大きな声でもう一度叫ぶ。

するとレオンは

「なんだよ」

と言って新聞から目を離し私を睨んだ。

「あいさつはちゃんとしなさいよ」

そう私が笑顔で言うと

「わかったよ」

と彼はそう無愛想に言って再び新聞を読み始めた。

いや、「おはよう」って言えや!

って思ったけど、「わかった」と素直に言ったから許してやることにした。

「なんでさっきから熱心に新聞なんて読んでるのよ」

私は朝食を食べながら新聞を読んでいる彼に話しかけた。

しかし彼は何も言わず新聞を読んでいる。

ほんとそういうとこイラつくわ......

「ねえ!」

そう私が大声で言うと

「昨日の夜、切り裂きジャックが出た」

とレオンは冷静に言った。

「え?」

「昨日の晩。被害者は、やはり女学生だ」

一昨日も事件が起こっていたというのに......

「そんな......」

まさか来て早々事件が起こるなんて予想もしていなかった。

心のどこかで私が来たから大丈夫っ!

なんて思っているバカな自分がいた。

「まあ俺たちが来たからって切り裂きジャックには関係ねぇ」

とレオンは私の思っていることを見透かしているかのように言った。

そうよね......

切り裂きジャックには......

「って!じゃあこんなこと場合じゃないわ!」

そう言って勢いよく立ち上がり、レオンの方へと身を乗り出した。

「いきなりなんだよ」

そんな私にレオンはのけぞりながら迷惑そうに言った。

「早く現場に行って調べないと!」

急がなきゃ!

私は朝食をかきこんだ。